あなたのお家にお邪魔させてください

新米訪問看護師が日々勉強したことを書き残していくブログ

【番外編】更新が空いてしまいました…!

 

みなさんお久しぶりです、管理人のふくです🌿

 

月末に色んなお家で色んな状態変化があり、急遽担当者会議を開いたりなんだりとバタバタしてすっかりご無沙汰になっておりました…!そんなうちに自分も持病の喘息発作を起こしたりして、ようやくパソコンに向かい合っております(苦笑

 

12月に入り皆さんはどうお過ごしですか?

こちら北海道はすっかり雪景色です。根雪になるかと思いましたが、一旦溶けてくれて一安心。それもきっとあと一週間くらいなもので、クリスマスあたりには毎年のように訪れるクリスマス大寒波で銀世界に戻るだろうなと思います。

 

これからの訪問は結構大変で、出先で大雪が降ると本当に大変。利用者さんのお宅を出たらまずは雪かき、なんてことも結構あります😅

車がスタックしてしまった(埋まった)時のために、タイヤに緊急脱出用ヘルパーなる板を社用車に積んだり既に対策を始めています。意外と使い方を知らない人もいるので、大雪が降る前にスタッフ間で確認することも大事だったりします。

 

特に注意が必要なのは、実はロードヒーティングのある駐車場。駐車場内はいいのですが、駐車場を出たところには雪が分厚く積もっているのでそこで埋まる人が多いです。訪問看護はスタッフ間で「○条通りは雪が酷いから違う道を通ったほうがいい」「〜さんの家はロードヒーティングとの間が危険」など情報共有しながらなんとか冬の訪問を乗り切っています。

 

雪が降ると結構訪問が押してしまうこともあるので事前に利用者さんに「今日は雪かきもありそうだから5分くらい早く切り上げてもいいですか?」と許可を頂いて少し早めに訪問を終わらせてもらうこともあります。

 

一昨年の札幌は特に雪がひどかったので、近隣の保育園や幼稚園にダメ元でお願いしたら「いいですよ〜うちに停めて訪問行ってあげてください!」と言って頂けた時は本当に助かりました…(;O;)

 

今年の冬はそこそこの雪で終わりますように…そんな事を思いながら北の大地の冬がやってきます。

皆さんの地域では地域ならではの困りごとはありますか?

感染症も流行っているのでみなさん安全に、健康にお仕事していきましょう🌿

 

それでは今日はこのへんで☺

 

 

 

【11軒目】たった1時間の訪問で、何ができる?去年の私のもやもやに今年の私が出した答え

 

こんにちは、ふくです🌿

少し投稿が空いてしまいました。年度末に向けてケアプランの更新月の利用者さんが多い、そんな時期。皆さんの利用者さんも、だいたい短期目標の評価日は11月末か12月末ではないでしょうか?頑張りましょうね…!(今月ケアプラン更新が5人いて瀕死のふくです笑)

 

さて、今日の投稿ですが、タイトルにもあるように訪問看護師なりたての去年、私は「訪問看護ってこんな感じでいいのかな…」と毎日のようにもやもやしていました。

 

憧れだった訪問看護師になれたはいいものの、訪問看護はだいたい、1件あたり30分もしくは60分訪問。30分なんて、ご挨拶して、洗面台をお借りして手洗いして、バイタルサインを測ったらもうあと数十分しか残っていません💦

 

訪問看護師としては新米でも、こんな私でも看護師歴は8年ほどありました。だからこそ気になることはいっぱい。

「あの床に落ちてるお薬っていつのやつ?」

「便出たっていうけど、本当に出てるの?」

「あ〜お話好きなのはいいんだけど、肝心なことが何一つ聞けない〜!」

 

「たった1時間の訪問で、私に何ができているんだろう?」

 

訪問看護は看護技術も病院ほどは実施しません。

腫瘍内科にいた時は毎日していた点滴も具合が悪い時だけだし、

泌尿器科にいた時は毎日誰かの留置カテーテルを入れ替えていたのにそれも14日おき、

採血なんて緊急時以外やりません。

唯一あるのは褥瘡の処置や入浴介助。とはいっても、入浴も希望がなければ介助することもありません。

わかりやすい技術やケアを実施したこと=看護をしている、ということではないとわかっていても、なんとなく自分の訪問に自信が持てずにいました。

 

そんなもやもやを抱えながらも毎日、何が正解なんだろう?どんな関わりをしたらいいんだろう?先輩の訪問の記録を見たり、相談したり、そんなことを繰り返しながら訪問看護を初めてもうすぐ丸2年になります。

 

結論、たった1時間の訪問でできることなんて、大してない

 

こう書くとすごく投げやりに聞こえると思いますが、本当にそうなんです。でもこれはネガティブな意味ではありません。

 

私がこう感じたのは、とある利用者さんとの関わりがあったからです。

 

※個人情報保護の観点から、エピソードや事例の中に出てくる利用者さんの名前、年齢、病名、家族背景、社会背景はすべて個人が特定されないよう、内容を変えて記載しています。私が感じたこと、看護として大切にしたいことを書きたいと思います。

 

その方は独居の90歳代の女性。幸い市内に息子さんが住んでおり、受診や買い物など困りごとにはお嫁さんと一緒に協力してくださる優しい息子さんでした。

これまで大きな病気もなくかなりお元気だった女性は、昨年の冬に転倒し大腿骨頸部骨折となってしまいました。この病名を聞いた医療従事者は「ああ、90歳台なら寝たきりだろうな…」と思うでしょう。それが持ち前の根性でリハビリに勤しみ、不死鳥のごとく蘇って、またご自身のマンションに退院できたのです!(本当にすごい…!

 

息子さんもお嫁さんもとても一生懸命で、今回の退院を機に「同居しようか」と言ってくれていましたが「息子夫婦に迷惑をかけたくない」と訪問看護やヘルパーを導入して独居を継続することにしたのです。

 

 

これまでほとんど入院などの経験をしたことがなく、何でも自分でやってきた彼女にとっては訪問看護師さんに何を依頼したらよいのか?が全くイメージが湧いていませんでした。訪問しても「あらあら、先生いらっしゃい。特にやることないのよ、座ってて」が口癖で、バイタルサインを測定した後は特に介入できることがなく…なんせ内服管理もご自身でカレンダーにセットされているので確認だけでよく、リハビリも病院から持ち帰ったメニューをしっかり毎日こなしていたからです。

 

こんなにセルフケア能力の高い彼女に、私は何をしてあげられるだろうか?

 

そんなふうに悩みながらも毎週訪問しているうちに彼女の体の悩みを聞いたり「毎週誰か来ると思ったら寂しくないわね」と雑談に付き合ったり…訪問看護を導入して3ヶ月ほど経った頃、初めて夜間の緊急携帯に彼女から電話があったのです。

 

電話待機だった先輩看護師から「ものすごく左足が痛くて腫れている。熱もあるが夜中だし病院に行ってもできることはないと思うが、どうしたらいいか。朝になったらどこを受診したらいいか」と相談してくれたようでした。

結果朝までクーリングや痛み止めで耐え忍んでくれて、翌日先輩看護師が勧めた整形外科に行ったら蜂窩織炎になっており、かなり炎症が高かったそうで、即抗生剤の治療を開始したとのことでした。

 

その時に先輩看護師から

「ふくが毎週訪問した時に熱が出たり、痛みがあったり、一人で対応に困ったら我慢しないで夜間電話待機の看護師に相談していい、って指導したそうだね。なんでもかんでも電話していい、っていうんじゃなくて”どんな時に連絡する”を明確に伝えたからこそ、いいタイミングで電話をくれたと思うよ。」と言ってくれたんですよね。

 

先輩のこの言葉でハッとしたことがありました。

訪問看護の大事なのはここか、と私の中で少し腑に落ちたんです。

訪問した時に処置をしたり、ケアをしたりするだけでなく利用者さんが持つセルフケア能力を高めることや、どんな時にSOSを出すか伝える、これってすごく在宅で大切なことだな〜と感じたんです。

 

結局私達訪問看護師が訪問できるのって週に数回、それも数時間なんですよね。

ほとんどは看護師がいない時間を一人、または家族とともに過ごさなくてはならない。病院と違って医療者が側にいられないからこそ、その人のできることを伸ばしたり、本当に危険な場合、看護師を呼ばなくてはならない場合について知っておいてもらう事がすごく大切、それがたった数時間の訪問で私にできる唯一のことなのかもしれないなと去年の自分のモヤモヤに答えを出せたような気がしました。

 

在宅看護を初めてようやく丸2年。在宅看護はやっぱり奥深くてまだまだ新米な私ですが、これからもその短い時間の中で少しでも利用者さんにとってよい関わりができたらいいなあと思います🌿

 

 

 

 

【番外編】イタドリは万能薬?訪問ですっかり盛り上がってしまった野草のお話

 

みなさんこんばんは、ふくです🌿

 

みなさん!虎杖って知ってますか!?

わたしは訪問先でつい「え?呪術廻戦の?」と言ってしまいました😂

相手は96歳のおばあちゃんなので、勿論そんなわけもなく。

「呪術廻戦ってなんですかねえ?」と逆に聞き返されてしまいました😂

 

なんでも、その方曰くテレビを見ていたら「虎杖」を取り上げていたと。その場でアイパッドで調べさせて頂いたのですが、虎杖は北海道ならわりとどこでも見かける野草なんですね。特に北海道では2〜3mにまでなる「オオイタドリ」なんてものもあって、葉っぱをよく揉んで打ち身の部分に湿布代わりに貼り付けていたんですって。

 

葉はよく揉むと粘り気が出るようで、それが止血効果もあり、傷口を塞いでくれるので「子供の頃は怪我をしたらイタドリを取ってきなさい、ってよく親に言われたもんだよ。昔はなんにもなかったからね」と教えてくださいました🌿

 

そこからすっかりイタドリに興味が湧いてしまって、利用者さんと一緒にタブレットで検索、検索…😂調べると「痛みを取る」ことから名が転じて「イタドリ」になったとか。他にも葉を乾燥させて漢方薬のように内服すると利尿効果や便秘薬としても用いられていたようです。知らなかった…!

 

国土交通省北海道開発局のホームページにも詳しく記載がありました↓

www.hkd.mlit.go.jp

 

色々調べると漢方やサプリメントなんかの商品も沢山あるんですね!

最近の話題で言うと、宮崎駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」にもイタドリの葉巻を吸うシーンがあったそうで。タバコにもなり、煮たり焼いたりして食事にもなり、さらには乾燥させたり揉んだりして万能薬としても使っていたイタドリ。道産子でしたが初めて知ることばかりでついつい、盛り上がってしまいました😂

 

 

看護師という仕事は3Kなんてよく言われていますし、慢性的な人手不足で大変…というイメージが強いと思いますが

やっぱり私は看護師をやっていて、こういう時間が本当に大好きです。

看護師という仕事は極めてプライベートな部分にふれる機会の多い仕事で

その人の生い立ちだったり、家族構成だったり…

色々なことを利用者さんは語ってくださいますが、その中で自分が知らなかったことや、経験してこなかったことを聞かせて頂く時間が好きです。

 

今回お話を聞かせて頂いた方は特に、96歳とご高齢。

96年の歴史はそりゃもう波乱万丈。その濃ゆい人生のお話を聞くだけでも為になるお言葉は沢山です。

私は割りと平々凡々な人生を歩んできているので、将来同じように年を取った時に、何か語れるような人生かしら?なんて思ったりします💦笑

 

そんなわけで本日は利用者さんとの雑談を取り上げさせて頂きました💐

みなさんはイタドリ、ご存知でしたか?

それではまた次回です〜🌻